◆調査活動

2019年度助成プログラム

 

以下のプロジェクトを実施中です。報告書ができ次第、サマリーを紹介いたします。

 

・宮崎県 門川町

 

世界愛鳥基金(SUNTORY FUND

 

ウミスズメ類の個体数推定のための スポットライトサーベイのプロトコル作成と、補正係数の発見をめざして(継続)

 

 

 

・徳島 牟岐町

 

自然保護基金 (Pro-Natura Fund)

 

新たに確認された徳島県牟岐町カンムリウミスズメ繁殖地での繁殖個体群規模の推定とネズミ類侵入状況確認

 

宮崎県 門川町

 

2018年度助成プログラム

 

世界愛鳥基金(SUNTORY FUND

 

ウミスズメ類の個体数推定のための スポットライトサーベイのプロトコル作成と、補正係数の発見をめざして

 

 2018年、ラッシュ チャリティ ポット(3月調査分)およびサントリー世界愛鳥金(4月調査分)の助成を受け、宮崎県の枇榔島でカンムリウミスズメ(Synthliboramphus wumizusume)の調査が実施された。 2018年は、以下の3つの調査を実施した:1)枇榔島周辺に、夜間に集合する数とその密度を求めるための、スポットライトサーベイ(トランセクトが島を一周する島周回型および放射状型)。 2)洋上に群れるカンムリウミスズメの繁殖個体の割合を調べるための洋上捕獲。 3)繁殖時期を判断するための営巣モニタリング調査。

 その結果、枇榔島周辺海域では、夜間2,053~3,832羽の幅でカンムリウミスズメがカウントされ、その確認範囲は、最大で枇榔島から1.9〜3.0kmの範囲であった。 これらの距離をもとに、洋上での集合している面積は18.5 km2と計算された。

島周回型、放射状型両方の密度を、洋上に群れている面積に挿入して計算すると、2018年の枇榔島周辺海域に夜間に集まるカンムリウミスズメ合計数は推定で4,700羽となった。

 洋上に集まる個体のうち、53%が産卵を意味する抱卵斑を所有していた。また、営巣調査の結果、繁殖が確認された巣が合計53巣発見され、そのうち、44巣(83%)では抱卵している成鳥が確認された。孵化した卵は確認されず、調査は産卵期の後半もしくは抱卵初期に実施された、といことになる。

 夜間、洋上に集まる4,700羽というデータ1つを取り上げただけでも、枇榔島は世界で最大のカンムリウミスズメの繁殖コロニーであることが明らかである。

 枇榔島におけるコロニー規模と個体数の詳細な分析は、2019年と2020年に継続が予定されているデータ収集後に実施する予定である。

 詳しくは報告書をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

201844-5日、に朝戎丸の舳先からスポットライトサーベイを実施するカンムリウミスズメスポットライトサーベイチーム。 奥から手前に: D. Whitworth(スポットライトでの観察者)、大槻(記録係)、雀ヶ野(記録係)

 


徳島 牟岐町

 

 2018年 4月及び5月に、四国南東部の徳島県牟岐町の4つの島(大島、津島、櫂投島、小津島(通称:北側のナザノハナと南側のサデバ)で、海鳥保全グループとカリフォルニア環境研究所によって、カンムリウミスズメの繁殖状況調査が2回行なわれた。これは、自己負担による調査である。

 第1回調査(2018年4月1日〜4日)では、夜間スポットライトサーベイ、日中の海上センサス、巣探索が実施された。夜間スポットライトサーベイは5つのトランセクトで行なわれた。これら5つのトランセクトでの総合計は965羽であった。

 日中の海上センサスでは、夕方の明るい時間帯から、出羽島〜津島と本土との間の海域にカンムリウミスズメの集団が形成されることが認められた。センサスあたりの確認数は141羽から496羽であった。

 島への上陸による巣探索は波浪影響のために櫂投島に限られた。櫂投島では22ヶ所の岩の隙間の奥にカンムリウミスズメの巣を視認でき、同島でのカンムリウミスズメの繁殖を確認した。更にはネズミ類に捕食されたと考えられる成鳥斃死体が発見されるとともに、ネズミ類と疑われる糞も認められた。櫂投島の繁殖個体群がネズミ類によって危機にさらされていることが考えられ、早急にネズミ類の確認とその後の対応が望まれる。

 第2回調査は2018年4月30日から5月2日にかけて、カンムリウミスズメの繁殖状況とネズミ類の生息状況に関する更なる証拠を求めるために実施された。

 第2回調査では、ナザノハナとサデバにも上陸して巣の探索を行なった。その結果、サデバにおいては1ヶ所の岩隙中に抱卵個体を視認するとともに、ナザノハナとサデバの両島において、岩隙中に本種と考えられる卵を複数個所(ナザノハナ3ヶ所・サデバ6ヶ所)で視認した。また、第2回調査時には櫂投島に自動撮影カメラ7台を設置して、1夜についてネズミ類の撮影を試みた。これらの画像と誘因用の餌の残存状況からはネズミ類の確認には至らなかった。今後も櫂投島とナザノハナとサデバでのネズミ類の存在確認に努める必要がある。

 詳しくは報告書をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Incubating Japanese Murrelet in a nest on Kainagejima, Japan, 3 April 2018


2017年プロジェクト

3月 "Japanese Murrelet Symposium 2017 in Kadogawa, Japan カンムリウミスズメ シンポジウム2017"に 主管としてかかわり

   ました。詳しくは、「Lectures & Symposiums 講演・啓発活動」のサイトで。

10月4日、LUSH Japan Charity Bank より助成をうけ、3月に宮崎県門川町で実施した、カンムリウミスズメのシンポジウムをまとめた冊子を発行しました。

国内はもとより、イギリスのバードライフ インターナショナル、ウミスズメの研究者で知られているアンソニー ガストン氏、スペンサー シーリー氏、韓国やロシアのウミスズメ類に関わる研究者の方々から、とても高い評価を得ることができました。冊子の中の情報は、出版物のサイトからンダウンロードできます。

 


・2015年度助成プログラム(2016年実施)

Pro-Natura Fund

 

「宮崎県枇榔島におけるカンムリウミスズメの最大の捕食者、カラス類、に関する基礎調査」

 今回調査から、島では、ハシブトガラス、ハシボソガラスの2種の生息が確認され、また比較的多くのカンムリウミスズメの死体も確認された。ハシブトガラスは、少数が島で営巣していた。ハシボソガラスは数羽程度が採餌のために島を訪れるビジター的な存在であると推測された。今回の調査と過去の記録から、ハシブトガラスとハシボソガラスによるカンムリウミスズメの一繁殖期の捕食数を推定すると、年間35-110羽程度のカンムリウミスズメが捕食されていることになる。比較的多くのカンムリウミスズメが、比較的少数のカラス類によって捕食されていることこがわかってきた。

ラッシュ ジャパン チャリティポット

「世界最大のカンムリウミスズメの繁殖地、枇榔島における自動撮影カメラを用いた捕食者に関する調査」

 

 枇榔島で、初めてカンムリウミスズメの捕食の証拠が収められ、その写真は、数社の新聞記でも紹介された。 

カラス類が継続的に記録されるようになったのは、ハシボソガラスが4月上旬から5月下旬、ハシブトガラスが4月上旬から7月中旬であり、両種の繁殖期に当たる期間である。枇榔島のカンムリウミスズメの産卵は3月中下旬、孵化は4月下旬から5月上旬であり、カラス類の活動が活発になる時期は、カンムリウミスズメの繁殖期に一致することがわかった。

島北西部のハシボソガラスによるカンムリウミスズメの捕食が多い林内で、ハシボソガラスが18:00以降も頻繁に活動をしているのは気になるところである。この時間帯は、島での釣り人も本土に戻っていない時間帯である。

2016年調査のまとめ

 これらの2つの調査の他、2013年以来継続している営巣モニタリングも実施した。今年の孵化成功率は、55%で、2013年の77%から比較すると低い値を示していた。現在のところ、枇榔島のカンムリウミスズメの推定繁殖数は1200-1800ペアーであり、カラス類とカンムリウミスズメのバランスは保たれているようである。しかしながら、孵化の成功率が低下傾向にあることには、注意すべきであろう。カラス類の数を増やさない努力が必要である。

 釣り人が残した撒餌は、カラスを誘引する材料になると懸念されているが、実際、残された撒餌をついばむカラス類が、枇榔島やその周囲で確認されている。1992年以来、門川町は、カンムリウミスズメに対するカラスの影響を減らすため、公教育の一環として、釣り人のマナーの向上に努めている。残念ながら、釣り人の一部には、それを無視する者もおり、私たちは、2013年に釣り人により残された撒餌や弁当の残りを枇榔島内の釣り場で確認している。

 1992年当時と同様の試みによる釣りマナー改善のアピールが再度求められる。さらに重要なことは、残された撒餌のカラス類による利用実態を調査することではないだろうか。人間側のモラルが徹底されれば、不必要にカラス類の数が増えることが防げるのかもしれない。

 

今後の予定

 2017318()19()に、宮崎県東臼杵郡門川町で、カンムリウミスズメシンポジウム2017  in かどがわ  ~みんなで守ろう! カンムリウミスズメ~が開催され、海鳥保全グループは主管としてシンポジウムを運営します。会場は、クリエイティブセンター 門川(宮崎県東臼杵郡門川町南町6丁目)。 詳しくはシンポジウムのHPをご覧ください。参加希望の方は、そちらから申し込みをお願いします。

 

2014年度

一般財団法人セブン-イレブン記念財団

飛島周辺におけるウミスズメ繁殖確認調査 

Pro-Natura Fundのプロジェクト(2015年実施) 

ソングメーターを用いた福岡県小屋島におけるヒメクロウミツバメの繁殖調査

福岡県、沖ノ島の属島、小屋島での2013年度および2014年度の調査結果、2009年の小屋島へのネズミの再侵入以降、一時は当地での生存が危惧されたヒメクロウミツバメの個体数の増加の傾向が示唆されました。報告書に2016年末頃発行予定のPro-Natura Fundの報告書に詳細が報告されます。

2013年度 

「公益信託 大成建設自然・環境基金」

・福岡県沖ノ島・小屋島における絶滅危惧鳥類、カンムリウミスズメおよびヒメクロウミツバメの現状と保護

Pro-Natura Fundのプロジェクト(2014年実施)

・ワークショップ ~日本各地の小さな島々における希少でかつ個体数の減少が懸念されるカンムリウミスズメの繁殖コロニーの保護のために必要な外来生物(特にネズミ類)の駆除について~

2011-2013年 公益信託「サントリー世界愛鳥基金」

Nocturnal Spotlight Surveys of Japanese Murrelets (Synthliboramphus wumizusume) at Birojima, Miyazaki-ken, Japan, in 2011

Surveys of Japanese Murrelets (Synthliboramphus wumizusume) at Birojima, Miyazaki-ken, Japan, in 2012

Hatching Success, Timing of Breeding and Predation of Japanese Murrelets (Synthliboramphus wumizusume) at Birojima, Miyazaki-ken, Japan, in 2013

カンムリウミスズメ巣立ち雛(2011年4月D. Whitworth撮影)
カンムリウミスズメ巣立ち雛(2011年4月D. Whitworth撮影)

2011-2013年は,サントリー世界愛鳥基金より助成をうけ,宮崎県の枇榔島において、日本では初の試みである、ウミスズメ類の個体数調査を目的としたスポットライトサーベイや、カンムリウミスズメの営巣調査を実施しました。を実施しました。スポットライトサーベイについては,その後は,環境省のモニタリング1000の報告書でスポットライトセンサスとして紹介されるようになりました(環境省自然環境局生物多様性センター 2015).

 

2012-14年 コンサベーション アライアンス ジャパン(アウトドア自然保護基金)

福岡県沖ノ島及び小屋島における繁殖期のカンムリウミスズメの調査報告-2012年度

福岡県沖ノ島及び小屋島における繁殖期のカンムリウミスズメ及び家鼠類の生息状況調査−2013年結果報告−

 National GeographicNews Watchと カナダの新聞 The Tyeeで活動が紹介されました。 

National Geographic

http://newswatch.nationalgeographic.com/2013/09/11/healing-okinoshima-island-restoring-a-sacred-japanese-landscape-overrun-by-rats-is-no-mean-feat/

The Tyee  

 http://thetyee.ca/Life/2013/08/24/Healing-Okinoshima-Island/ 

福岡県沖ノ島及び小屋島における繁殖期のカンムリウミスズメ及び家鼠類の生息状況調査−2014年度 

2012-2014年の調査から、2009年の小屋島へのネズミの再侵入後も、少数のカンムリウミスズメが小屋で繁殖していることが確認されたほか、沖ノ島での繁殖の可能性も示唆され

ました。また、沖ノ島での四季をしたネズミ類の生息状況も知ることができました。 

 

2014年度 

一般財団法人セブン-イレブン記念財団 

飛島周辺におけるウミスズメ繁殖確認調査  

Pro-Natura Fundのプロジェクト(2015年実施) 

ソングメーターを用いた福岡県小屋島におけるヒメクロウミツバメの繁殖調査

足環をつけられるヒメクロウミツバメ (大槻 撮影)
足環をつけられるヒメクロウミツバメ (大槻 撮影)

福岡県、沖ノ島の属島、小屋島での2013年度および2014年度の調査結果、2009年の小屋島へのネズミの再侵入以降、一時は当地での生存が危惧されたヒメクロウミツバメの個体数の増加の傾向が示唆されました。報告書に2016年末頃発行予定のPro-Natura Fundの報告書に詳細が報告されます。